惑星と口笛ブックス

わたしが書きたい詩の言葉だけ 書けない 伊川佐保子

 回文詩はあらゆる詩のなかでおそらくもっとも制約の多い詩型です。漢詩や俳句の比ではありません。そしてそれだけ制約の多いものなので、できた作品も限定された狭いもの、融通のきかないものになると思いますでしょうか。
 いやいや反対です。
 人が作る詩は「作者」という限定から飛び立つことはひじょうに困難です。けれど回文詩は制約の多さゆえに詩人にとっての最後のくびきである「個人性」を脱ぎ捨てることが容易になります。
 つまりはこうなります。

  詩は限定性に宿る。

 もうひとつ敷衍しましょう。

  無限が回文詩に宿った。

 日本の回文詩はいま真の回文詩プレイヤーを手に入れました。その名は伊川佐保子。驚嘆してください。

 表紙イラストは荒川龍太郎、表紙デザインは田中美沙妃。71作、600円。

アマゾン
楽天



作品抜粋

関連記事

  1. ななつの娘と夜の旅 水の巻 北野勇作
  2. ななつの娘と夜の旅 月の巻 北野勇作
  3. あいつらにはジャズって呼ばせておけ ジーン・リース短篇集 西崎憲…
  4. ゴルコンダ 斉藤直子
  5. ななつの娘と夜の旅 石の巻 北野勇作
  6. クロニカ―太陽と死者の記録  粕谷知世
  7. 世界の果ての庭 西崎憲
  8. 雨の国、夜の国 北野勇作
PAGE TOP