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回文詩はあらゆる詩のなかでおそらくもっとも制約の多い詩型です。漢詩や俳句の比ではありません。そしてそれだけ制約の多いものなので、できた作品も限定された狭いもの、融通のきかないものになると思いますでしょうか。
いやいや反対です。
人が作る詩は「作者」という限定から飛び立つことはひじょうに困難です。けれど回文詩は制約の多さゆえに詩人にとっての最後のくびきである「個人性」を脱ぎ捨てることが容易になります。
つまりはこうなります。
詩は限定性に宿る。
もうひとつ敷衍しましょう。
無限が回文詩に宿った。
日本の回文詩はいま真の回文詩プレイヤーを手に入れました。その名は伊川佐保子。驚嘆してください。
表紙イラストは荒川龍太郎、表紙デザインは田中美沙妃。71作、600円。
作品抜粋
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