002
忘れられたその場所で、
倉数茂 Interview
忘れられたその場所で、
本格的な社会派ミステリーと神秘的な幻想ホラー。
両者が巧みなバランスで作中に並存しつつ、互いの闇を照らし合う。
――この読み味、僕はとても好きです。
――綾辻行人
人ならざるものを見てしまう高校生の美和は、雪の中道に迷い、見知らぬ街に迷い込む。その一角に、割られた窓ガラス越しにじっとこちらを見ている男がいた。男は死体だった。
一方刑事の浩明は、死体発見の報を受け、現場に駆け付ける。被害者の斗南という男性は、数日間体の自由を奪われ、食事も与えられないという残虐な方法で殺されていた。浩明は同僚の絵美とともに斗南の過去を探るのだが、予想外の事実が浮かび上がり――。
『名もなき王国』の著者が放つ野心作!

001
ヘディングはおもに頭で 西崎憲

ここでは良いことは何も起こらない。でも、ここには希望しかない。
大学受験に二度失敗し、浪人をしながらアルバイトを転々として暮らしている松永おんは、かつて双子の弟がいたことから、自分は半分だけの存在だという意識を持って生きている。半年前から働きはじめた弁当屋では何の楽しみもやりがいも見いだすことができない。そんな日々を過ごしていたある日、おんは高校時代の部活・写真部の集まりで友人に誘われたことがきっかけで、初めてフットサルをする。それはおんにとって「まったく新しい何か」だった。誰かにスイッチを押されたようにフットサルを始めたおんは、永田町にあるフットサルスクールに通うようになる。一方、地元北千住の同人誌が開催する読書会にも参加するなど、徐々に世界を広げていくおんだが……。
宮内悠介さん
「みがき抜かれた言葉と、静かに動かされる心。それはまるで、アメジストの結晶を光に透かしてみたときのような。小説とは、ここまでやらなければならないのか」
定価: 1,650円(本体1,500円+税)
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KADOKAWA
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