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0035 コドモクロニクルⅠ  今井みどり、岩﨑元、遠藤紘史、粕谷知世、川合大祐、北原尚彦、 桐谷麻ゆき、斎藤真理子、佐伯紺、 三月の水、しげる、清水さやか、 下楠昌哉、須藤岳史、照子、 中川マルカ、夏野雨、馳平啓樹、 林由紀子、Pippo、深緑野分、 舞狂小鬼、mayumiNightly、 宮内悠介、矢田真麻、吉野仁、 吉野隆、らっぱ亭




きみもむかし子供だったのか、奇遇だな、ぼくもそうだったんだよ

 当たりまえのことですが、最初から大人として生まれてきた者はいません。
 ではわれわれはいつ子供でなくなったのでしょう。いつ大人になったのでしょうか。大人になった者はいったいどこにいるのでしょう。

 ワーズワースはかつて詩のなかで、子供はその人間の親だという意味のことを述べました。子供のころの経験、それはたしかに人の方向を決め、あるときは助け、あるときは挫きます。

 本書に集められた歓び、驚異、孤独、不安、恐怖は、多くの人間が共有するものです。けれども不思議なことにそこにはなぜか明確な個人性もあります。見事に普遍なものと独自なものが共存しているように見えます。

 おそらくここに集められた優れた文章は読者の心に鮮やかに子供時代を蘇らせます。濃密なノスタルジーを見ることもできますが、それはある種の錯覚でしょう。われわれはおそらく子供時代を失ってはいません。違います。子供時代はつねに心の奥のほうでそのままつづいています。われわれはみな大きな子供なのです。

 本書はナショナル・エッセイ・プロジェクトシリーズの第一巻です。叢書名はポール・オースターの出版企画ナショナル・ストーリー・プロジェクトから借用したものです。
 
 400字詰め原稿用紙換算約240枚。

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